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青い軌跡〜La route bleue 第1章 – イタリア・リンゴット

ホームメモリーズ青い軌跡〜La route bleue 第1章 – イタリア・リンゴット

荘厳なアルプス山脈の中、アルピーヌ ビジョンがLa Route bleue(=青の道)を走ります。そこには情熱溢れるたくさんの出会いがありました。

la route bleue

CHAPTER 1

LIN

GO

TTO

アルピーヌ ビジョンが最初に立ち寄った場所はイタリア・リンゴットです。ジョヴァンニ&マレッラ・アニェッリ絵画館の館長 - マルチェッラ・プラロルモ氏にご案内頂きました。1920年代にフィアットの車両製造工場として建設されたリンゴット。イタリアのエンジニア - ジャコモ・マッテ・トゥルッコによるとてもユニークな設計です。全長500mもある長い建物は当時のヨーロッパでは最大かつ最も近代的な工場でした。1階からスタートした生産ラインが上階に進んでいきます。5階で組み立てが終わると、なんと屋上に設置されたテストコースで試運転が行われていました。

「リンゴットのらせん状スロープ構造は、ル・コルビュジェをはじめとした偉大な建築家たちの関心を大いに集めました」とマルチェッラ・プラロルモ氏は語ります。工場は55年もの間フィアットの車両を生産していました。

seconde vie

1980年代初頭に工場が閉鎖されると、フィアット創業者の孫であり - カリスマ性と先見の明のあるジョヴァンニ・アニェッリがこの建物を残すために複合施設として活用することを思いつきました。設計コンペの結果、パリのポンピドゥー・センターを始め多くの美術館建築を手がけるイタリア人建築家 - レンゾ・ピアノが選ばれました。マルチェッラ・プラロルモ氏は「アニェッリの希望通り、建物本来の姿を尊重したことが採用された大きな理由です」と語ります。

avant gardiste

建築家レンゾ・ピアノは建物の外観にも内部にも一切手を加えず「光と透明性を焦点に設計をしました。最上階の絵画館からはアルプス山脈とトリノの街が一望できます」とマルチェッラ・プラロルモ氏は語ります。屋上を精巧に彩るガラスの気泡「ボーラ」が建築家レンゾ・ピアノならではの技を象徴しています。前衛的でかつ壮大なリンゴット。今ではトリノ市の再生のシンボルとなっています。

Métamorphose

現在リンゴットは、ホテル、ショッピングモール、理工科学校、展示会場、コンサートホール、シネマコンプレックス、ジョヴァンニ&マレッラ・アニェッリ絵画館と様々な機能を包括した複合施設となっています。

the

picture

gallery

2002年に開館した絵画館はリンゴットの最上階に位置します。「芸術とは娯楽であり、美であり、喜びである」としていたアニェッリ夫妻はマティス、ピカソ、ルノアール、マネ、モディリアニなど歴史に名を残した偉大な芸術家たちの作品25点を絵画館に寄贈しました。

Le coffre au trésor

「常設展用の作品を選ぶ際に、アニェッリ夫妻と直接仕事をさせていただきました。二人の珠玉のコレクションの中から宝石を探す気分で、とても貴重な体験をさせて頂きました。コレクションがこの建物を蘇らせたとも言えます」とマルチェッラ・プラロルモ氏は語ります。
建築家レンゾ・ピアノはアニェッリ夫妻のコレクションを収納する空間として、リンゴットの屋上に空中建築を設計しました。マルチェッラ・プラロルモ氏はこの空間を「水晶の屋根と宝石箱」と称賛し、レンゾ・ピアノ自身は「宝物箱」と呼んでいます。アルピーヌで訪れたリンゴットへの旅。歴史が残した遺産と近代性が調和したひと時で幕を閉じました。

マリ・ファルマン/文
アンヌ・ペリッチ/文
ティエリー・アンブレッス/写真
謝辞
ご協力いただいた
マルチェッラ・プラロルモ氏、カローラ・セルミナト氏にお礼を申し上げます。